しみじみと 暮れてゆきます 大晦日
鉄橋を 渡って風の 彼岸かな
この道を 川沿いに 下るなり
川風も 気持ちよきかな 落ち胡桃
川風や コスモスの聲 黙るなり
風受けて 渾身の凧 あとずさる
風よ風 天空の 凧に聴け
秋近し ピストルの聲 かきけされ
秋風や 釣り針キラリ 遠ざかる
蝉の聲 遠のき枝に 風寒し
曇り空 明るき旅の かもめかな
黒雲に かくれて秋の 住処かな
遠雷の また向こうに 秋はあり
虫の音も やがて遠のく 卓下かな
ペダル重し 銀ヤンマの道 風の道
故郷も 蝉の声止み 時雨かな
蝉の声とどかず 産院の窓 硬し
夕暮れに カラス 鳴き忘れ
ウイルスや 傘の雫か 旅の空
我春や 想いは途絶え 異国かな
目元より 吹き抜ける 春の風痒し
UFOを 見つけし春の かまどうま
身につきし うろこ静に はがれ落ち
見上げれば 星より遠く 海馬かな
三脚に 乗せて夕焼け ほうり投げ
呆呆と 夜の額は 屋根を越え
背に受けし 寒き秒針 荒野あり
宇宙船の 左翼より地球を臨む 三が日
天井に 座って夜を 跨ぐかな
首筋に 流れ込むなり 時の種
遥々と 山並み暗し 年初め
年越えて 行き着く先や 空の下
新年や 真空重し 窓の闇
流れ星 街角ですれちがい 秋の暮れ
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